Web業界で2つの道!制作会社と事業会社の違いと適性、必要なスキルとは?
こんにちは、とっしーです!
今回は、Web業界へのキャリアチェンジやキャリアアップを目指している人向けに、「制作会社」と「事業会社」の違いについてお伝えしたいと思います。
日々さまざまなWeb業界の求人が更新されていますが、その中で、
- いったいどんな会社を選べば自分に合っているのか?
- どんな会社なら、目指しているキャリアプランに近づけるのか?
という悩みは尽きないですよね。
確かに、Web業界に入る前だと、なかなかイメージしづらいですね。
まずはこの2種類の会社の特徴を押さえておくことで、今後のキャリアプランをより鮮明に可視化し、納得感をもって会社選びをすることができるようになります。
そこで、Web業界に異業種からキャリアチェンジして10年以上を過ごした僕が、自分の経験をもとに「制作会社」と「事業会社」の違いを3つの視点でまとめました。
わかりやすさと簡潔さにこだわって書きましたので、ぜひ最後まで読んでいただけるとうれしいです!
それでは、まず1つ目の視点からみていきましょう!
実行部隊?構想部隊?
まずは「制作会社」と「事業会社」の違い1つ目として、それぞれの会社がどんな集団なのか?という概要から。
仕事内容とともに、はたらく人の頭の中までみていきます!
制作会社:どちらかというと「モノづくり実行部隊」
そのため業務内容も、必然的に作ることに特化していきます。
まずは以下のような項目をヒアリングした上で、クライアントの頭の中を可視化し、イメージに沿ったWebサイトを作り上げる、いわゆる「モノづくり」がその仕事の中心になります。
- Webサイトを制作することで達成したいことはなにか?
- どんな人に向けて制作するのか?
- 具体的なデザインイメージやコンテンツの内容は?
- サーバーなどのシステム仕様の設計
- 予算と納期
これらヒアリングした内容をもとに、クライアントの求めるWebサイトを設計し、納期までに公開するための詳細スケジュールの作成までを行います。
「どう作るか?」という「How」の部分において、さまざまな手段を提供することができる。作る領域で洗練された技術を持っているのが、制作会社の特徴です!
確かに。デザインやコーディングなどの専門性が高く、モノづくりにおいてのスペシャリスト集団というイメージかな?「職人」とも呼べるかも。
そのため制作会社は、作ることが大好きで、アプリケーションの使い方や表現力を磨きたい人におすすめです。
一方、見えづらい部分ですが、クライアントの要望をまとめる整理力や、納期までに確実に進行させるスケジュール管理力も同時に必要になってきます。
続いて、「事業会社」の仕事をみてみましょう!
事業会社:どちらかというと「ビジネスの課題解決を追究する構想部隊」
制作活動をすることもありますが、常に「誰の、どんな課題を解決するために作るのか?」という問いかけを徹底するのが事業会社の特徴。
さらに、ユーザーへの価値提供の先にある事業の目標も意識し、
- 売上などの数字をどう達成していくか?
- そしてそのためには、どんなクリエイティブ(Webサイト)を作るべきか?
といったことに思考を巡らせます。
具体的には、
- 事業の本質的な価値=ユーザーにとっての価値を突き詰める
- ビジネスモデル・利益構造を設計する
- 具体的なターゲットユーザーを定義する
年齢や性別などで区切ることもあれば、趣味などの生活様式やどのサービスをよく閲覧するか?という「行動属性」で切り分けることもあります。 - 施策を打つ(クリエイティブをつくる)ことが、売上目標などの数字とどう関連するのか?を明確に意識する
といったことを日々考え、アイディアを組み立てています。
事業を前に進めるためのパートナーとして、高度な専門スキルをもったプロフェッショナル人材・会社を選び、依頼することはよくあります。
モノづくりの技術が磨かれている「制作会社」とは、確かに違った領域ですね!
事業会社は、ユーザーにとっての価値を突き詰めて考えることになるので、幅広くいろいろなサービスをみて、「なぜこうなっているんだろう?」と考え続けることが得意な人に向いています。
続いて、2つ目の違いをみていきましょう!
制作するデザインのバリエーション
「制作会社」と「事業会社」の違い2つ目は、関わるデザインのバリエーションです。
特に「Webデザイナー」の職種を希望している方は、直接的に関係のあるところですね!
制作会社:多ジャンルのデザインに関わるバリエーションの豊富さが魅力
制作会社はさまざまな業種のクライアントから、デザイン制作などを依頼されます。
例えば…
- 高級レストランやラグジュアリーホテル、スポーツカーなどのWebサイト
- →高級志向デザイン
- 主婦やママなど女性向けサービスサイト
- →柔らかいデザイン
- キャリアップのビジネスマン向け転職サイトなど
- →スタイリッシュ、かっこよさ
- 保育園など子供向け施設サイト
- →ポップな可愛さを演出
と言った具合です。
いろいろな業界のクライアントと付き合いのある制作会社は、案件の種類も豊富。さまざまなジャンルのクリエイティブを作れる機会を得やすいですね!
いろんなテイストのデザインをやりたいという人は、制作会社の方が向いています。
デザイントレンドやデザインツールは移り変わりが早い世界なので、最新の情報を取り入れながら、自分の制作スキルをアップデートし続けることが求められます。
では、事業会社はどうでしょうか?
事業会社:ブランドごとにデザインをまとめる統一感が身に付く
制作会社では、手がけるデザインの幅が広いのが特徴でしたが、事業会社はデザインレギュレーションに沿ったデザインが必要になるので、手がけるデザインの幅は比較的狭くなります。
例えばメルカリであれば、「ポップ」「カジュアル」といったデザイントーンになるので、メルカリの事業に関わっている中で「高級感」や「男性的」なデザインはなかなか挑戦しにくいでしょう。
なるほど!あくまで事業に沿ったデザインを突き詰めるイメージですね。
また、デザイントーンを統一する、ということは、サービスや製品などの「ブランド」が発信するメッセージのブレをなくすということにつながっていきます。
例えばApple。iPhoneなどのApple製品や、AppleのWebサイト、Apple Storeやその他グッズなどをみたときに、「一目でAppleだとわかる」「Appleらしさが伝わってくる!」と感じないでしょうか?
これは、
- 「Apple」というブランドが発信するメッセージ(例えばスタイリッシュ、高級感など)が明確に定義されていて、
- それがしっかりと伝わるようにビジュアルデザインにも落とし込まれ、
- さらにあらゆるユーザーが目にするタッチポイント(Webサイトや店舗などのユーザーとの接点)において、ブレがないようにデザイナーがコントロールしているから
といえます。
会社全体、またはブランドごとに発信するメッセージを統一する、というのも、デザインの役割であり、デザイナーの仕事であるということなんです!
続いて3つ目の違いをみていきましょう!
それぞれの会社が、最もコミットするゴールはどこか?
「制作会社」と「事業会社」の違い3つ目は、それぞれの仕事のゴールはどこなのか?という部分。
注力する領域といってもよいかもしれません。
制作会社:作ることをゴールに、最大限コミットする
作ること自体で価値を創出するので、モノづくりが大好きな人がたくさんいるのが制作会社です。
例えば、自分が手がけたバナーデザインを「クリック率」などの数字で評価したい、という場合は、制作会社ではなかなかチャンスがないかもしれません。
作るために使う技術など、制作そのもので価値を創出しているのが制作会社、ということですね。
そうですね。ただし、Webサイトの場合は、制作完了後も関わり続けるケースも一部あります。
その場合は「運用・保守契約」などと呼ばれますが、
- サイト内の文字や画像の更新であったり
- サーバーなどのアップデート対応
- 軽微な機能改修
などを継続的に制作会社が対応します。
ただし、いずれにしてもマーケティング要素は入らないことが多いので、定期または不定期でのWebサイトの部分的な修正対応、というイメージですね。
事業会社:作ってからのサービス成長に、最大限コミットする
サイトを公開した後、実際にサービスを世に出したときのユーザーの反応をみながら、
- 思い描いていたマーケティング数値のシミュレーションとのズレはなさそうか?
- ユーザーへの価値提供が十分にできているのか?
- サービス検討段階の仮説は正しかったのか?
などの項目を中心に細かくチェックしていきます。
なるほど。そう考えると、「作ることより、作った結果としての数字やサイトの影響力」について考えるのが好きな人が、事業会社に向いている、といえそう。
そうだね!「作ったサイトをどう事業に活かすのか?」「どうすれば成果が最大化できるのか?」などの「マーケティング視点」がある人は、事業会社での仕事を最大限楽しめると思います!
Webデザイナー視点でみる「制作会社」と「事業会社」の違いは?
最後に、一例として「Webデザイナー」という職種で「制作会社」と「事業会社」の適性をざっくり書いてみました!
同じ職種といえど、目的が変わってくるので仕事内容も変わってきます!
制作会社でWebデザイナーになる
Webサイトなどの「制作物」をつくることが最大のミッション!クライアントからヒアリングをして、その内容に合わせたデザインを提供していきます。
そんな制作会社は、こんな人におすすめ。
- そもそもWebサイトやバナーなどを作ることが大好き
- いろんなジャンルのWebサイトを作りたい
- 他業種の人と数多く出会いたい
- 最新のデザイントレンドなどを常にキャッチすることに抵抗がない
事業会社でWebデザイナーになる
Webサイトを作るだけにとどまらないのが、事業会社。数字を見ることも必要になり、自分の作ったサイトにどれだけの人が訪れてくれるのかがわかる楽しさが魅力!
1つのサービス全体を改善し続けていくことがミッションとなります!
- 分析をしながらデザインを改修していきたい
- プロダクトがどのようにしてユーザーに届くのかを最初から見続けていきたい
- 自分の好きなブランドがあり、いつかはそこでWebデザイナーとして働きたい
- 社内のデザイナー以外の職種の人にも出会って視野を広めたい
事業会社で経験を積むことで、将来的には自分の好きなブランドやメーカーへの転職も視野に入ってきます。
また、デザイナー以外の人たちとの関わりも持ちやすく、自分の視野も広がるところも魅力です!
まとめ
事業会社と制作会社での違いを、いろいろな角度から見てきましたが、いかがでしたか?
もちろんここに書いたこと以外でも、細かい違いがあったり、また会社によってもまちまちなところもありますが、これからWeb業界へのキャリアチェンジを考えている人にとって少しでも参考になる情報となっていれば幸いです。
自分がどのように働きたいのか、将来的にどのようなキャリアを積んでいきたいのか、何が好きなのかなど、いろいろなことを天秤にかけるときの材料として使ってもらえたら嬉しいです!
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